【2014年10月26日の手記より】
最悪だ。今ここにある感情は、失望、絶望、そして怒りだ。
私はこの小さな生き物に対して圧倒的な脅威を持っている。
この高さ20cmほどのスプレー缶は500円で私がドラモリで買ってきた物だが、これをひとたび噴射すれば、たちまちこの小さな命を数十個ほど昇天させることができる。
しかし、彼らは個にして全、全にして個。複数の女王を有し、頻繁に分巣してリスク分散する彼らに対しては、その程度の殺戮は何ら意味をなさない。
彼らの小さな命は、一つにして意味を持たず、集い集まることで脅威の生命力をもたらすのだ。
驚くべきは、その餌をサーチする能力と餌の情報をシェアして急速に仲間を集める情報共有能力だ。おおよそ餌が出現して10分ほどで餌にたどり着き、その後2時間もすれば、赤黒い奴らに覆われることになる。
今回の場合、奴らの巣は部屋の外のベランダにあったから、それなりに距離があり、他の兵士たちはいろんなところに哨戒に出ていることを考えたらそんなに早く集結できる筈もないのに、だ。
だから、俺は小さくて大きいこいつらに大して何の優越も感じない。
言ってみれば、ライバルであり、不倶戴天の敵であるのだ。だから、俺はこいつらに全力で戦う。
それがこの大地に生まれしものの掟なのだ。
【イエヒメアリという、家のなかに巣を作られたら、二度と殲滅は不可能と言われるほど、駆除が難しいアリと俺が戦ったときの手記より】
ありがとセブ
友人からマクタン空港を使う時は、本当に時間かかるから、かなり早めに行った方が良いとアドバイスを受けていた。
金持ちの楽しみ方はよーわからん!
最後にオランゴ島の穴場リゾート地のタリマビーチを目指す。
まあ、でもここの写真はほとんど撮っていない。なんでかって、いうと景色とかは別に特段すごいものがあるわけではないのだ。
ただ単に、綺麗な設備があって、こんな風にデザートでも食べながらくつろぐ場なのだ。
他の観光地は地元民ばっかりだったが、ここには欧米系や日本人の観光客がほとんどだ。
本を読みながらのんびりしたり、プールで泳いだりしている。
貧乏人には、紺碧の海を眼前にしてプールで泳ぐ意味がわからんけど、確かによくも悪くも自然100%の海に比べると、安心してくつろげるかもしれない。
ならば、ここでも豪に従い、デザートを食べながらのんびりくつろぐことにしよう。
と、なんだか後ろの方で欧米系の観光客と、リゾートのスタッフが何かしゃべっている。
なんでも、フリードリンクのようにおいてある飲み物をそのお客が飲もうとしたら、実はそれは有料だったらしく、軽い言い合いになっているようだ。
「ヨーロッパでは普通こういうところではタダで飲み物が飲める物だ。おかしいだろ。」
「でも、あんたらフィリピンにきたんだろ?」
なんて、軽妙な会話が交わされていたそうだ。
俺はぼーっとしてて聞き逃したが、なかなか文化の違いを感じる面白い会話だったと思う。
ちなみに、さっき話に出たプールだが、自然より安全と言ったな。
アレは嘘だ。
なんとこのプール、手前側は浅くなっているが、奥の方は軽く3mくらいの水深がある。なんも知らずにいきなり飛び込んだら死ぬほどびっくりしたわ!!
なんか、看板に「死んでも自己責任な!」みたいな事書いてあったけど、せめて深いことくらい教えてよ!
あ、あとこの写真に写っているのはツバメです。
そう、あの日本で巣を作るあいつね!
こいつらも春に日本に来るまでの間はここで油売ってたんです。
日本に旅立つ準備をしていたのか、何度も水面に向かって滑空し、水を飲むような動作を繰り返していました。
なるほど、俺が知らないところでこんな世界を旅していたんだな。
地上の星は見つかったかね??
ラプラプを食す。
さて、3つまえの記事で紹介した、マゼランを殺害した英雄ラプラプだが、その名前を冠する魚があるそうだ。
ということで、早速食べることにしたのだが・・・?
これがその魚ラプラプ。なるほど、立派だ。そしてうまそうだ。
そして、お値段なんと1匹1500ペソ!日本円で5000円相当!!
現地の物価が日本の半分未満なことを考えれば、価格も英雄クラスだ。
なんかぼったくられているような気もするが、おとなしくぼったくられるのも、現地経済に貢献する意味で悪くない。
20分くらいでできるというから、九州から遠く離れた異国の地で2年ぶりに奇妙な再会を果たした友人と海を見がら語り合ったのだ。
最近の身の上話から、今後どう生きるか。
はたまたこのフィリピンの旅を通じて感じたこと。日本はどうすればいいのか。いや、そんなことどうでもいい。海を見てると心が落ち着く。すっと話せる気がする。
・・・いや、ちょっとまて、20分で料理が出てくるんじゃなかったけ?
なんでかれこれ1時間以上話し込んでいるぞ?!
と、思っていたらやっと料理が出てきた。もはやここまで時間にこだわらないんなら、最初から20分なんて言わなきゃいいのに。
まあ、ここは南国の時間に巻き込まれておくことにする。
そして出てきたのが、これ。
うまい!これはうまい!英雄の名に恥じない味である。
白身なんで、ちょっと日本の魚だと鯛に味が似ているか?でも鯛よりもうちょっとしっとりしていて、うまみがある。
甘酸っぱい醤油で味付けしてあって、日本人の口にも合いやすい。
貝。これもうまい。したの写真の貝は、天草ではしったかと呼ばれている貝だ。海に潜ったときにも思ったが、これだけ離れていても似たような魚が住んでいる。おんなじ東シナ海なんだなと思った。
ふるーつ。言うまでもなくうまい!
といいたいところだが、バナナはやっぱり日本に来てるやつの方が上等品だな。マンゴーはうまい!
海でたらふく泳いだあとだったので、米も含めてたくさんの料理が出たが、楽勝で完食した。
いや、幸せ。
海が来る The Ocean is coming!
固い話ばっかりが続いたが、ちゃんと観光もしてきた。というか、むしろすっげーいい思いをしてきたと思う。
この砂漠のような広大な砂浜。
鏡のような水面に変貌する様を目の当たりにできたのだ。
ここは、セブ、マクタン島のお隣、Orango islandのwlid life sanctuary。
ほんと、こんな奇跡のような光景に立ち会うことができたのはたまたまだった。乾燥した大地に海がしみ込んでいく音が今でも聴こえてくるようだ。
残念ながら、時間の関係で最後まで海が満ちる様子を見ることはできなかったが、いつか、誰かに見てきてほしい景色だ。いや、俺が見に行くか?
これが行きの道のりで。
これが帰りの道のり。
なんで、人は美しい景色に心を打たれるんだろう。
ちなみにwild life sanctuaryというくらいなので、生き物の楽園である。こんな感じで、ガイドさんが生き物を見つけてくれて、それを我らが見ることができるのだ。
こうやって海が満ちていくのに合わせて、鳥の群れも前進していく。ガイドさんも「みろ、行進してるぞ」と。
いたのは日本でもよく見るサギやシギなど。あいつらこの時期見ないと思ってたら、こんないいところに住んでやがったのか。結構珍しい種類もいたとかなんとか。
こいつら南の島で恋人を見つけて一緒に日本などの北の国に帰り、新婚生活を送るのだそうだ。
全くうらやましい奴らだ。