神は自ら助くるものを助く

今のこの日本の世の中は、一見平和に見えますが、誰一人として明日の命、明日のご飯を保証されている人はいないのです。

経済成長が止まり、行政や組織の力に頼れない今の時代では、それはいよいよ身に迫っていることだと思います。

 

さて今回引用する記事は、私の敬愛する東京都議員のおときた氏のブログからである。内容をざっと説明すると、「経営感覚0の公営銀行事業から東京都が手を引きました」ということに関する記事なのです。

 

otokitashun.com

 

どういう銀行だったかというと、

その理想は誠に高邁で、設立時の東京都はまだまだ不景気の真っただ中。
厳しい競争の中にある民間銀行は中小企業への「貸し渋り」を行っており、
融資を受けられない中小企業は資金調達に悩み、倒産の憂き目にあっておりました。

こうした資金調達力のない中小企業を救済する」ことを目的としてスタートした

 

ということだそうです。まあ、そりゃ潰れるよね

また、おときた氏は記事の中でこう続けています。

 

政策的な観点から見れば、
資金調達を援助すると言えば聞こえはいいものの、

「潰れゆく中小企業を無理やり延命させる」

ためにお金をいくらつぎ込んでも、文字通り問題の「先送り」に過ぎず、
産業も雇用も守れないことを証明した結果であるとも言えます。
守れないどころか結局のところ、それ以上のマイナスを生み出しました。

もちろん成長のための投資や、やむをえない景気変動に対応するための融資は必要ですが、
潰れてしかるべき「ゾンビ企業」を発生させても産業の新陳代謝を阻害するだけなのです。

とこれは今、はやりの地方創成事業に関しても言えることなんじゃないのかなと思います。たった一年で〇〇兆円というお金を消化しきるために、全国で割引券が発行されています。中には結構な割引率のものもあり、私自身今年の旅行に使ってみようかなと思うものもあります。

しかし、今の地方の現状は、人口が減ることで仕事がなくなり、さらに人がいなくなるという自然の流れにあるものであり、基本的には自然の摂理だと思うのです。

それをいくら行政に一時的な補助金をもらって延命したところで、本質的な問題は解決しないのです。

ましてや今、行政が死ぬと言われているのに、、、ねえ。

今の平和な日本とはいえ、誰もがいつ死ぬかわからない、本質的には原始時代から変わらないサバイバルの世界にみんな生きています。

時代に必要とされなかったものは、滅びるんです。新しいものに取って代わられるんです。

 

まあ、だからといって、根本的に人口流出と少子化を食い止める画期的な方法も(あるにはあるけど)すぐには敢行できないのが悩みの種なんですが。

 

とりあえずは、支援のあり方として、今後伸びていく有力な事業者が、事業開始に一時的に必要となる部分を補助金で支援できれば一番いいのでしょうが。

いわば、「神は自らを助くるものを助く」を実行することが、少ない税金を効率的に経済成長に使うための道筋だと思うんです。

そしてそこで出てくる悩みの種が後一つ

以下おときた氏の記事より。

ただ、こうした中小企業延命政策は非常に有権者ウケ」の良い政策で、
多くの政治家は手を変え品を変え、中小企業延命のための予算を獲得しにきます。
実際に同行の設立時には、都議会でも共産党を除くすべての会派が設立に賛成していました。

短期的には「雇用を守る」ために、喜ばれる政策になるでしょう。
しかしながらそれが果たして、中長期的に全体のためになることなのかどうか…

新銀行東京を単にいち政策の失敗として捉えるだけなく、
このような視点からも今回の結末は大いに参考にするべきだと思います。

そうなんです。私が思うに、「有権者ウケ」がいいとは、「困っている人を助ける」とか「古くからあるものを大切にする」とかそういうもの何じゃないかと思います。ほんと、私もいーことだと思います。

でも、結局それが税金を有効に使うのを妨げているし、下手をすれば事業者の「行政がなんとかすべきだ」との考えを助長し、ひいては「自活力の成長」を妨げている。

私も「古きよきもの」が大好きで、ぜひ後世に残したいと思っています。でも、それが生き残るためには、後世の人に必要だと認識され、具体的に価値を提供できるまでの魅力を維持しつづけなければならないのです。

そこで、冒頭の言葉に返ってくるのですよ。

 

なんて、言ってみましたが、かくいう私も組織に生かされている身です。

組織なしにはのたれ死んでしまします。

だから、せめて衣食住の「食」だけでもなんとかする技術が欲しいと切に思ってます。

なんで、アパートの隣の田んぼの代掻きを手伝えないかなーと、ウォッチしているところです。