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【2014年10月26日の手記より】

最悪だ。今ここにある感情は、失望、絶望、そして怒りだ。

 

私はこの小さな生き物に対して圧倒的な脅威を持っている。

この高さ20cmほどのスプレー缶は500円で私がドラモリで買ってきた物だが、これをひとたび噴射すれば、たちまちこの小さな命を数十個ほど昇天させることができる。

 

しかし、彼らは個にして全、全にして個。複数の女王を有し、頻繁に分巣してリスク分散する彼らに対しては、その程度の殺戮は何ら意味をなさない。

彼らの小さな命は、一つにして意味を持たず、集い集まることで脅威の生命力をもたらすのだ。

 

驚くべきは、その餌をサーチする能力と餌の情報をシェアして急速に仲間を集める情報共有能力だ。おおよそ餌が出現して10分ほどで餌にたどり着き、その後2時間もすれば、赤黒い奴らに覆われることになる。

 

今回の場合、奴らの巣は部屋の外のベランダにあったから、それなりに距離があり、他の兵士たちはいろんなところに哨戒に出ていることを考えたらそんなに早く集結できる筈もないのに、だ。

 

だから、俺は小さくて大きいこいつらに大して何の優越も感じない。

言ってみれば、ライバルであり、不倶戴天の敵であるのだ。だから、俺はこいつらに全力で戦う。

 

それがこの大地に生まれしものの掟なのだ。

 

 

【イエヒメアリという、家のなかに巣を作られたら、二度と殲滅は不可能と言われるほど、駆除が難しいアリと俺が戦ったときの手記より】