冬のイルクーツク、バイカルツアー(2018.2) その4 オリホン島上陸編
かくして、ついにバイカル湖に足を踏み入れることになった一行。
これまで通ってきた、きちんと舗装された道から、湖に降りるオフロードの道を下る。
ここから、氷の道だ。
周りにはスケートを楽しむ人もいる。
ガイド曰く、ここからは万一のとき、すぐに脱出できるよう、法律でシートベルトをはずすようになっているそうだ。
そんなことにならないことを祈るばかり。
氷の上に、標識が立っている。
これは毎年わざわざ、設置と撤去を繰り返しているのだろうか?
最短コースを行くのかと思いきや、少し回り道をしている。
どうも場所によっては、氷のもろい場所なんかもあるみたいだ。
そういうことも経験的に分かってきたことなんだろうけど、それまでどれだけの車が犠牲になったことだろうか?
ほどなくして雪がないところに到着し、ガイドが車を止めた。
これが、
半年間、あこがれ続けた氷の世界。
ようやく、憧れた氷の上に立つことができたのだ。本当に感激である。
モスクワに住んでいたロシア人でも、これほどの氷は珍しいらしく、我々と同じように感激していた。
しかし、時はもう夕方、最終的な目的地まではだいぶ距離があるので、感動はほどほどにしておいて先を急ぐことに。
バイカル湖の中の島、オリホン島に到着。5,6キロは雪の上を走っただろうか?
たどり着いた島の上り口はオフロードで、早速車がスタックしてしまう。
重量を減らすために、ガイドだけで再チャレンジして何とか突破。
これから、こんな感じのオフロードをひたすら突き進むことになる。
島の風景もそれはそれで面白かった。
なんだか、この島周辺は雪が少ないようである。
雪が積もっているように見える部分も、よく見てみると分厚い霜のようだ。
その証拠に、土の粒子と交じり合って、色が少し茶色がかっている。
乗っかると、雪のようにつぶれるのではなく、サクッと音を立てて割れる。
全体として、枯れ草と霜が混じったようなベージュ色の景色が続く。本当に雪はほとんど積もっていない。それはそれで雄大な景色だ。
奄美大島とちょうど同じくらいのサイズの島らしいが、なんというか島っぽさがない。
途中、1つだけヤルガという村があることになっていたが、
実際に通り過ぎると、そこは本当に数えるほどの家がこじんまりとまとまっており、これがドラクエならば、村の入り口に
「ここはヤルガ村、なにもない小さな村さ」
という台詞しかしゃべらない村人がいそうである。
それからさらにどれくらい走っただろう、車のゆれにそろそろ飽き始めたころに島の中心部にあるフジュル村に到着。
何とか日没には間に合った。ガイドが夕日スポットに案内してくれた。
ここは、シャーマン岩と言うらしい。解説は他の観光ガイド等の記事に詳しいので割愛したい。
夕陽に映える氷の湖も感動した。
写真でみて分かるとおり、この時点で氷がせりあがる「おみわたり」もあり、なんだかすでに満たされた気分になりかけていた。
波も凍っている。といっても、波が瞬間的に凍ったのではなく、最初に凍った氷にかぶさるように次の波がかぶさり、また凍ってを繰り返して徐々に凍ったものと推測される。
でも、その結果、波がそのまま凍ったような形になるのは、当たり前のことのような不思議なことのような。
本当に今日は天気がよく、綺麗な夕陽も見ることができた。
天気予報では、曇りのち晴れみたいな感じだったので、雲ひとつない晴天に出会うことができたのは本当に幸運だったと思う。
シャーマン岩の上の澄んだ空には、半月が昇っていた。
そう、ガイドに門限は日没の6時23分までといわれていた。
気がついたら、時間ぎりぎりである。日本人の面子が掛かっているので、3人でダッシュで車に戻る。
到着時刻は、6時23分ちょうど!ガイドにさすが日本人、時間に正確だとのお言葉をいただく。
普段、日本のことぼろかすに言ってるけど、海外にでるとやっぱり日本人としての美徳は守らんといかんという謎の正義感に駆られる笑。
夕飯の後、買い物に外に出てみると、月の周りに薄いワッカが。
明日は、一日オリホン島とバイカル湖を堪能します。