【紹介】僧侶のように、淡々とガンガゼを割り続けるダイバー
最近注目しているyoutuber、スイチャンネル sui-channelさんがすごい。
【ウニ駆除 第10弾】海藻が無いエリアのウニをひたすら駆除する Exterminate sea urchins to protect seaweed and sea environment
豊かな磯を守るため、サンゴに複雑に絡みついたイカ釣りの餌木を取り除いたり、海藻を食い尽して磯焼けの原因となっているという「ガンガゼ」をひたすら砕いて回ったりしているダイバーさんのようだ。
このチャンネル主は相当にバランスの取れた思考の持ち主で、エギングが磯に与える負荷について警鐘を鳴らしつつも、釣り文化と磯の環境が両立できるよう、餌木の動きを水中から観察し、釣り人に対して根掛かりしないエギングの方法を提案したりもしている。
ガンガゼを割ることに関しても、ガンガゼがいなくなれば藻場が戻ると確信しているわけではなく、そのプロセスを映像として記録に残し、長期的に検証する、という目的でyoutubeに投稿されているそうだ。
映像は基本的にただ淡々と、海の中でガンガゼを割り続けるというものなのだが、美しい海の映像と、ガンガゼが砕ける小気味いい音が不思議とみていて気分が落ち着く。
字幕で展開される、主の考え、知見も大変興味深い。
動画の中で、ガンガゼの駆除を持続可能なビジネスにする可能性について、高齢化が進んだ漁村で年老いた漁家が新しいビジネスを始めることはそう簡単でないだろうと、分析しておられました。
私も「地方創生」の現場を複数見てきた中で、似たようなことを考えたものです。
何が正解かわからないそのなかでも、誰のせいにもせず「とりあえず3年はガンガゼを割り続ける」という主の姿は、昔日、岩山にノミだけで青の洞門を掘ったという僧侶のようだと思いました。
果たしてこの取り組みの果てに何があるのか、今後も注目したいチャンネルです。