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佐賀知事選に関する感想など。

佐賀知事選が先日幕を閉じました。結果としては、山口氏が元武雄市長で改革派として知られる樋渡氏を破って当選しました。

私は佐賀県出身なので、非常に興味があったのですが、これについて面白い記事があったので紹介します。

佐賀県知事選の結果は、ネット選挙(落選運動)の影響によるものか?(西田亮介) - 個人 - Yahoo!ニュース

個人的には、今回の選挙は「改革派」として武雄市で様々な斬新な改革を行ってきた樋渡氏が立候補したため、選挙の焦点は「リスクを負ってでも変えたいか?」になると思っていました。だから、選挙の結果に関わらず佐賀の市井の人々がこれをどう捉えているのかがわかる=何が普通なのかわかる 選挙だと思ってました。そういう意味で、どちらが勝ったとしても、その結果にはとても興味がありました。

しかし、樋渡氏に自民党の公認がつき、その焦点が農協改革にすり替えられてしまいました。以下の記事は西日本新聞の記事ですが、「反中央佐賀の乱」と見出しにあるように樋渡氏は中央側と捉えられています。先述した通り樋渡氏は地元の武雄市長、それに対して山口氏は元中央官僚ですので、中央と地元というならまったくあべこべです。つまり、そのくらい自民党の肩入れが強烈だったんだなーということわかります。

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一方、武雄市で行われた市長選の結果では、樋渡氏の後がまの小松氏が14081票で696票という極めて小さい差で辛くも勝利しました。一番樋渡氏の政治の善し悪しを知っているはず武雄市民の意見が半々だったのでは、たとえ自民党の件がなかったとしても組織票を切り崩しての当選は無理だったのでしょう。

 

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ところで、今回は記事にもある通り投票率は過去最低でした。

これほど世間を賑わせた選挙でも、興味がない人にとっては、どこ吹く風と言う訳で。つまり、興味がある人と興味がない人の壁がものすごく厚くなっているんでしょう。いかんすべきか。

 

ちなみに、朝日新聞も読みました。朝日としてはオスプレイや原発再稼働の話が論点になってほしかったみたいですが、今回の選挙では徹底的にスルーされてたので拗ねてました。個人的には、オスプレイとか原発は喫緊の生活に関わる問題ではないのであんまり興味湧かないです。どちらかというと政治より思想の問題じゃろと。きっと佐賀県民も同じ考えだったんでしょう。そうなれば自然と、選挙の争点にもならない訳です。

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統計データ等もあり、非常に興味深かったので記事が消えたときのために以下の通りコピペします。

ーーー以下引用記事ーー

2015年の佐賀県知事選の結果が出た。無所属の新人で元総務省過疎対策室長の山口祥義氏が当選した。

佐賀県知事選 新人の山口氏が初当選 NHKニュース

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150111/t10014607651000.html

この選挙が注目されたのは、前武雄市長の樋渡啓祐氏が出馬していたことによる。

「改革派市長」として知られる同氏が武雄市長を辞職して、後継の市長選挙とダブル選挙になったこと、

自民党本部と公明党が樋渡氏を推薦したのに対して、一部県連と佐賀県JAの政治団体「県農政協議会」は山口氏を推薦したことで、注目を集めていた。4月の統一地方選の前哨戦としての意味合いもあった。これらの理由によって、大いにネットの注目も集めた。

両者の明暗を分けたものは、何だったのだろうか。

一部には、ネット選挙、とくに激しく展開された樋渡氏に対する落選運動の影響ではないかという声もあるようだ。

幾つかデータを見ながら、解釈してみたい。

佐賀県選挙管理委員会事務局は、以下のように得票数を報じている。

開票率 100.00%

・いさがい 良隆 : 6,951票

・ひわたし 啓祐 :143,720票

・山口 よしのり  :182,795票

・島谷 ゆきひろ : 32,844票

(「佐賀県知事選挙 開票結果(確定23時18分発表)」より引用)

また投票結果は以下のとおりである。

・当日の有権者数: 675,865人

・投票者数     : 369,114人

・棄権者数     : 306,751人

・投票率      : 54.61%

(「佐賀県知事選挙 投票結果(確定22時35分発表)」より引用)

※投票率は、過去最低。

また、以下は、JAさがの組合員数、役員数、職員数である。

大まかに足し合わせると、約8.8万人の強い利害関係者が存在することを意味する。

組合員数 正組合員数 44,126人

准組合員数 40,596人

合計 84,722人 (平成26年3月末現在)

役員数 理事 74人(うち常勤14人)

監事 9人(うち常勤2人)

合計 83人 (平成26年7月1日現在)

職員数 正職員 2,011人

その他職員 1,019人

合計 3,030人 (平成26年3月末現在)

(「JAさがの概況」より引用)

この8.8万票が、山口氏を推薦した「県農政協議会」がもっとも組織化できる票数であり、政治への影響力の源泉といえるだろう。

この8.8万票を2倍すると、16.7万票、3倍すると26.4万票になる。農業が比較的家族経営で営まれていると考えるなら、2倍、3倍という数字は、家族の票数等に相当すると考えられる。ただし、コアの8.8万票と比べると、影響力、組織力は弱いとも考えられる。

これらをベースに、前回、同様60%ほどの投票率を想定していた場合、約40万票を奪いあうゲームが想定されていただろうから、

実際の山口氏の得票数は約18.3万票であるから、2倍+αといったところか。

一見強力な基礎票のようだが、むしろ「意外と動員が効かなかった」という印象を当事者らは持ったのではないか。民主党関係者やその他県連の支持を考えると、「+α」がかなり小さく感じられるからだ。

仮に3倍の26.4万票を押さえられたなら、いや、2倍+5万票の21.7万票で、前回同様の得票率の場合でも十分過半数を超えられる票を読めてしまうわけなので、アテが外れたという思いが強いのではないか。

苦戦した樋渡氏だが、保守分裂に加えて、流動的な無所属の票を、島谷氏と分けあってしまった可能性も否めない。

島谷氏は、ミュージシャンの三宅洋平氏や嘉田由紀子氏らの応援によって、若年世代や「新しいもの好き」といった

潜在的に樋渡氏を支援する可能性があった支持者を獲得したように見える。

とはいえ、今回の得票率では、約3.3万票の島谷票が全て樋渡氏に入っていたとしても山口氏に及ばないので、やはり低投票率の影響は効いているように見える。

これらを踏まえると、比較的シンプルに、今回の佐賀県知事選の結果も、(低)投票率と基礎票という既存の強力な変数が、選挙結果に大きな影響を与えたと考えるのが妥当ではないか。

換言すれば、ネット選挙(含む、落選運動)の影響は、むしろ小さいということなのではないだろうか。総務省の『平成 25 年通信利用動向調査の結果』によると、佐賀県の個人のネット利用率は、約80%、スマ―トフォンからの利用は約38.5%。首都圏や関西圏と比べると利用率自体が低いうえに、スマ―トフォンからの利用者が少ない。

PC中心のネットへのアクセスは(余談だが、佐賀はブロードバンド率が低いことが知られている)、相対的にアクセス頻度が少なく、またソーシャルメディアの利用者は若年世代が中心である。仮にネット上の落選運動に接触したとしても、投票行動への反映は、もちろんまったく影響を与えなかったというわけではないだろうが、未だ明確ではない。

ざっくり計算したので、計算ミス等ありましたら、適宜ご指摘下さい。