【考え事】失踪した外国人実習生はどこにいったのですか?
外国人実習生の失踪者数が増加しているそうだ。
なんでも、失踪者数は平成24年度の2000人から、平成29年度は7000人へと、実に3.5倍ものスピードで失踪者数が増えているのだ。
失踪した外国人実習生は年7000人。ちなみに、現在年間保健所に引き取られる野良犬の数は年30000匹。
環境省_統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」 [動物の愛護と適切な管理]
あくまでも引き取られた数なので、野良犬の数を正確に表しているわけではないが、このまま失踪する実習生が増えていけば、野良犬よりも野良外国人実習生のほうが多くなるのである。
じゃあ、その野良外国人実習生はどこに行ったのか?
これを考えるためには、「仕組み」について思いをはせる必要がある。
まず、外国人が日本で働くためには、個人で簡単にどうこうできる話ではなく、ブローカーの協力が必要だ。
海外で日本に派遣する人材をとりまとめて、一手に手続きを行っているブローカーがおり、そのブローカーを通して日本の各企業等は海外の労働力を手に入れている。
…と、フィリピンパブや、インドカレーという名のネパールカレー屋、はたまた最近増えている台湾料理屋という中国料理屋のスタッフの話を聞いて学んだ。
実習生については、さすがに国の制度が絡んでいるから、少なくとも日本側の窓口はましなのかもしれないが、どうせ胡散臭いブローカーが絡んでいることを想像するのは難しくない。
要は、外国人が日本の労働市場に食い込むためには、「仕組み」が必要なのだ。
これを今回の失踪者の話に置き換えてみると、これは単純に外国人実習生の労働環境が悪化して、逃亡する実習生が増えているという話ではなく、
どこかに失踪した外国人実習生を手引きするブローカーがいる
ということにならないだろうか?
ということで、もう少し数字を追っかけてみることにした。
失踪者の数を、外国人実習生の数で割って、失踪者の出る割合を年度ごとに比較してみた。
失踪者を受け入れる闇のシステムが出来上がったのであれば、何処かの段階で急にこの割合が上昇したりするのではないか、と予想したのだ。
が、この表を見ればわかる通り、おおむね実習生の数に対する失踪者数の割合は3%前後で大きな変動がない。
昨今の失踪者数の増加には、そもそもの実習生の増加が大きな原因であるといえそうだ。
特に、ベトナム人は失踪者数・実習生の数両方ともに、近年増加しており、中国を抜いて現在1位である。
ということは、失踪者の受け皿となる仕組みは、もうすでにあり、実習生の増加に伴って、着実に力を増しているといったところだろうか?
実際に2016年の記事でこういうものがあった。
元中国籍の男が、中国人のコネクションを生かして、失踪した実習生を派遣してその労賃をピンハネしていたのだ。
こうした失踪者をめぐる闇のビジネスは今後も加速していくとみられる。
いつぞや、日本にも外国人スラム街ができたり、外国人ストリートギャング団が形成されたりするのではないだろうか(少しワクワク)。
日本人は、外国人をこき使ったツケを、どういう形で支払うことになるだろうか。