冬のイルクーツク、バイカルツアー(2018.2) その3 シベリア大雪原編

 

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かくして、バイカル湖ツアーの一日目を迎えた。

ホステルブラボーの小さなベッドはかなりきしんだが、マットレスがふかふかで快適な睡眠をとることができた。

 

朝10時、ホステルにてツアーに一緒に行くロシア人の夫婦と合流。

 

奥さんは、ロシア人らしい美人で英語が流暢、だんなさんはザンギエフのようにいかつい体格のひげの男性。 

いかにもロシア人といった感じの夫婦だ。

 

ガイドの運転する日本車に乗り込み、一路バイカル湖へ。

 

地図で見る限り、イルクーツクから北上した後、ひたすら300キロくらい東へとシベリアの大地を突っ切るという行程。

 

これは、なかなか退屈そうな行程である。

 

と、思っていたのだが、ひたすら広がる白銀の大地の中、一筋の道路が駆け抜ける様はとても壮観だった。

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友人Bいわく、大陸は基本的に古い山なのである、であれば長い時間をかけて雨や風で長い時間浸食されて、なだらかな平野地帯が形成されるのだそうだ。

 

日本のような新期造山帯に住むわれわれからすると、とても珍しい風景である。

 

ロシア人奥さんのケート曰く、晴れている日はいいんだけど、曇っているととても陰鬱な気分になるんだよねとのこと。

 

このご婦人は、昔はモスクワに住んでいたそうだけど、とにかく日照時間が短く、太陽に憧れて、黒海沿岸のソチに引っ越したのだそうだ。

 

夏のバイカル湖はリゾート地としてとても人気とのことであるが、それはこの地域がロシアでもっとも日照時間が長いからだそうだ。

 

私たちも常夏の沖縄や、ハワイにあこがれるのとおんなじで、人間は太陽を求めているのかなーっと思った。

 

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で、この途方のない土地、雪が積もってないときはなんに使われているの??

 

ガイドのマキシム氏曰く、キャベツやビーツの畑になるんだそうだ。

そういえば、道端に小さな飛行場があったが、あれは農業用の飛行機だったのではないかと思った。

ほんとに、途方もなく広い農地である。

 

 

あとは、放牧もしているそうだ。

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牛はともかく、馬もいる。歴史にもモンゴルの馬は小さいと聞いているが、みたところ人間と同じくらいのサイズなんではないだろうか?

 

馬は食べるのではなく、放牧のときに広大な牧場を移動するのに使ったり、観光用に使ったりしているみたいだ。

 

途中途中に現れる街で休憩を挟みつつ、バイカル湖を目指す。

 

日本のように人が隙間なく住んでいる国では「地名」というのは、人が住むエリアを区分する概念だが、このあたりでは本当に地図上に地名が示されている場所以外には誰も住んでいない。

まるでドラクエの街のように、誰も住んでいない原野が何十キロも続いたのち、突如人が住む町が現れる。街の概念が違うのだなと考えさせられる。

 

丘を越えて遠くに街が街が見えると、ドラクエで新しい街を見つけたときのようにわくわくする。

 

バイカル湖に近づくと、徐々に道は曲がりくねった山道になる。

といっても、日本の道のような九十九折ではなく、緩やかなカーブが続く程度ではあるが。

 

 

とあるロードサイドのレストランは、アジア系の観光客で一杯だったので、そこをスキップして、バイカル湖に程近い街の「ユルタ」というモンゴルのゲル風のカフェで昼食。というか、「ユルタ」というのが、ゲルのことをさしているらしい。

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料理に関して言えば、ここで食べたものが一番おいしかった気がする。

羊肉のボルシチなんかは、いかにもロシアとモンゴルの折衷料理みたいでよかった。

そして、このボール一杯に肉と野菜がたくさん入ったボルシチが1杯100ルーブルはお得。

モンゴル風餃子のブージィ(って読んだけどもボーズってよぶのが一般的らしい)も腹にたまるうえに、おいしい。

そして、このブージィってのは、餃子の中国語読みのバオズがなまった感じなんだな。

なるほど、そこまではつながっているのに、なぜロシアに言った瞬間ペリメニって名前になるのか不思議ではある。

職場の先輩曰く、かつて大学のロシア語の先生が、中国の餃子はロシアのペリメニが起源と主張してたって話も聞いたけど、本当のところはなんともわかならないみたいだ。

 

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そうそう、モンゴルティー的な奴も頼んだ。

市販の粉末をお湯に溶かすだけのものだったが、これが日本のスキムミルクなんかよりも俄然おいしかった。

その後、スーパーなどで売ってないか探してみたが、残念ながら見つからなかった。

 

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というか、一枚目の写真にもチラッと写ってたが、なんかすごい車が大集結している。

友人A曰く、これはマドマックスという改造車がたくさん出てくるファンキーな映画のファンの集まりなんじゃないかということ。

 

ロシア人の工作能力はホント半端ないと思う。DIYというレベルではないが、DIYなんだろう。

 

そこから程なく行ったところの雪山のふもとで車が止まる。

いまから、この雪山を30分程度ハイキングするそうだ。

f:id:hokusoemi:20180303190824j:plain目的はよく分からないが、とりあえず雪山というだけでテンションがあがる九州人は喜んで雪山を駆け上がった。

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気温が低く乾燥しているせいか、降り積もった雪はきらきらと七色に輝いている。

本当に美しい景色だ。

 

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山頂の景色も最高だった。今上ってきた山は、地層がしゅう曲により垂直になったものが部分的に削られてできたものだったようだ。

 

ここはバイカル湖のほとりであり、そのバイカル湖はプレート運動の狭間で引き裂かれるようにしてできた湖とのこと(しばしば小さな地震も起きているらしい)。

 

なんじゃいよく分からんけど、この辺全体複雑な地殻変動が起こっているのだろう。

 

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あと、山頂の岩には鹿の壁画があった。この辺の遊牧民が描いたものなのだろう。

そういえば、道中のところどころに木でできたモニュメントのようなものがあり、日もがたくさん結び付けられていた。

このあたりには、精霊信仰があり、人はそれぞれ13の動物を祖先に持つ13の家系に分かれていると信じられていたようだ。

その中でも、仏教を持ち込んだ?タカはとても尊敬されており、別格なのだそうだ。

地味に、ここでも日本と同じ精霊信仰と仏教の考えが結びつく神仏習合のような現象が起こっており、仏教と精霊信仰の親和性のよさをうかがうことができた。

 

 

さて、ついに本題のバイカル湖である。

シベリアに流された革命犯(デカブリスト)の像が鎮座する丘から、バイカル湖を見下ろす。

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朝10時に出発して、17時15分。日本を出てから、1日半。

ついに、ついにきたんや。

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