感想 ひろゆき著「働き方完全無双」

読んで一番最初に思ったことが、

 

「案外フツーやな」

 

ということです。

これは私としては、いい意味でこう述べているつもりです。

ひろゆきこと西村博之氏は、2chの創始者として特にネット界隈を中心として有名だが、その一般常識にとらわれない明晰な頭脳と、歯に衣着せぬ物言いでしばしば話題を呼ぶ人物だと私は認識しています。

 

当方、怠け者の人間故、働き方に関しては日ごろから思うことがあるのです。

ただし、所詮一つの仕事しかやったことのない若造、たぶん自分の考えには自分も気づかない無意識の偏りや、それまで考えもしなかった盲点があるに違いない。

 

そこで、私としては、そんな博之氏に、私がこれまで積み上げてきた持論の盲点を突いてくれることを期待してこの本を手に取ったところでした。

 

ところが、どっこいこの本を読んでみると、ところどころに博之氏らしい個人主義が垣間見られるものの、いずれの内容も至って突飛なものはなく、非常に誰にとっても役に立つような至って建設的な提言がなされていました。

 

実のところ思い起こしてみれば、目からウロコがでるような新しい視点というのは、その新しい視点に気が付いたからと言って、ごく一般的な意思の強さと体力の人間がそう簡単に実行に移すことができるものではないことが多いと思う。

 

割とありがちな例を出すと、転職の話がそうだ。

 

日本の終身雇用制度はもうほとんど崩壊しかかっているので、これからは個人が必要なスキルを身に着け、特定の企業に頼らないで生きることができるように転職しながらキャリアアップすべし、みたいなことは、終身雇用制度に染まりきったおっさんでも割と理解できるかもしれないが、実際に今の日本の社会でよし分かったとすぐに転職できる人は少ないだろう。

 

この本を読んでいて、そういうハードルが高い話はほとんどなかった。ごくごく平凡なサラリーマンでも取りかかれるような内容ばかりであった。

 

特に印象に残ったのが、人生の生産性を高めるために、睡眠の質や体調維持といったことについてもかなり言及されていたことだ。

 

まさか博之氏から、鼻炎の解消法を教えてもらえるなんて思いもしなかったものだ。

 

それくらい、なんというか「地道」なことの積み重ねという風にこの本を読んでいて感じた。

 

よくある、ベンチャー企業の社長みたいな人が、「若者よ海外へ出ろ」とか上から目線で言っているのに比べても、圧倒的にハードルが低く、怠け者の私としても受け入れやすい内容ばかりだった。

 

 

ちなみに、先の転職の話に関して、本書の中で博之氏は

 

転職しなければならない事態に備えて、年100万円貯金できるようにすること(貯金ができるような生活レベルをキープしておくこと)。十分な貯金があれば、いざというときに転職するためのハードルが低くなる。

 

というようなことを述べています。なんと、堅実なことか。

 

 

 

本著では、大きく①今後の日本の展望と、②その予測される未来の中で個人がどう生きていけばよいかという2つことを著述されています。

 

②のほうについては、↑でこれまで私が書き記してきたように、個人がこれから意識すべきことがライフハックのようにたくさん挙げられている。その内容は多岐多様であるため、もうこのくらいにしておきたい。

 

①の今後の日本の展望についてはざっくり私の言葉でまとめると以下の通り。

 

A 今後の日本は今のタコツボ状態を抜け出すことができないだろうということ

 

B そういう中で、生活のためイヤイヤ働いている人が、優秀でバリバリ働きたい人の邪魔をしないように、「ベーシックインカム」を導入すべきだということ

 

Bのベーシックインカムについては、ちきりん氏のブログがめちゃくちゃわかりやすいので、そちらをご参照のこと。

d.hatena.ne.jp

 

Aの日本はタコツボを抜け出せないということについては、

1 高齢化の進んだ日本では、高齢者の声が大きいため、年金や医療といった高齢者にとって必要な部分を切り崩せないこと(≒よってベーシックインカムの財源が捻出できない)

2 行き過ぎた規制等、「よくわからんもの」への恐怖などに由来する全体が損をする論理が跋扈しているおり、日本が成長するための選択肢をつぶしていること

3 これらに対して、これまで博之氏があった専門家はいずれも論理的な打開策を持たないこと

 

などから、基本的に日本は存続こそするだろうが、もう成長しないというのが博之氏の認識のようです。

 

確かに、日本の現状を嘆き、あーすればいい、こうすればいいと空想することは、もはや限りなく無駄に近く、それよりもまずはどうすれば個人が生き延びることができるかを考えるほうが、ずっと建設的のような気がする。

 

そのような日本の環境の中、特に不遇に立たされることになる若者が、どうずる賢くしぶとく生き延びるかということについて教えてくれる、若者の視点に立ったとてもやさしい本だと思いました。

 

 

 

※不思議なところが、こういう感じで日本の将来をほとんど見放しているようにも見える博之氏ですが、仲間内でどうやれば日本でベーシックインカムを導入できるのかについて、わざわざ試算をしてまで本気で議論をしていたりと、勘違いかもしれませんが、どこかで日本のことを思いやっているようにも感じました。とにかく、博之氏の「やさしさ」のようなものを感じた一冊でした。

冬のイルクーツク、バイカルツアー(2018.2) その10 まとめ

f:id:hokusoemi:20180423220029j:plain


こんな感じで、私のシベリア旅行は本当に、これまでの旅の中で最高のものだった。

「金も、時間もあまりかけたくない、だけど誰も体験したことがないようなことをしたい」

 

そういう私のねじ曲がったわがままな欲望を完璧に満たしてくれる旅行だったと思う。

旅行から帰って2か月経とうとしている今でも、透明な氷の上に立っているときのあの感動が恋しいくらいだ。

 

一つ、心配なことを挙げるとすれば、なにかとシベリアの観光業が未熟で無防備すぎることである。今回利用したガイドも、現地までの往復500㎞のドライブに加えて、3日間のガイド+二泊三日の宿食事と犬ぞりがセットで、20000ルーブル行かなかった。これは大体35000円くらいで、しかも、これにはバイカルの国立公園区域に侵入するための許可もセットで、現地の悪路を乗り越えるジープ運転手代も込みである。

 

このガイドは特別安いほうで、ほかの会社で手配するとその倍はかかる。

 

ただ、正直それでも全然体験できる内容と、その唯一無二であること、ガイドがいなければとても到達できないことなどを踏まえれば全然妥当な価格だと思う。

 

その今回使わなかった高い会社の料金は、4travelで事前に読んだ記事と比較すると、倍くらいに値上がりしている。

 

たぶん、それだけ需要が上がってきているのだと思う。人が増えれば、それだけマネジメントも大変になるし、何よりいろんなインフラ面での投資も必要になるだろう。

f:id:hokusoemi:20180423220307j:plain

 

今回は、そりゃもうありがたく使わさせてもらったが、本当は今回利用したガイド会社はもっと料金を上げるべきだと思う。なんだか、そうしないとそのうち中国の旅行代理店やらなんやらがのさばり始めたときにはすさまじいマージンを持っていかれることになりそうだ。

それとも、敢えて小口の個人旅行客をターゲットに絞って、特別にアットホームなプランを提供し続けるというならそれもいいのかもしれないけど。

バイカル湖周辺は、観光地としては本当に未熟で、スーパーや居酒屋以外にはほとんど店もない。お土産を買おうと思っても、イルクーツク空港に売ってたアザラシの写真がプリントされたキーホルダーやら、バイカル湖の同じ画像を使ったキーホルダーみたいなものしかない。

f:id:hokusoemi:20180423220443j:plain

 

これ、ちょっと頭使って、中国人が安くてなんかよさげなお土産屋さん作ったら、あっという間にそっちにお客を持っていかれてしまうだろう。

 

この地域はロシアとモンゴルの中間で、清の時代は中国とも国境を接していた。清との貿易はここから南の街で行われており、イルクーツクも貿易において重要な役割を果たしたらしい。榎本武明のロシア紀行にも、お茶を運ぶ馬車と何度もすれ違う様子が描かれていた。

 

そんな感じで文化・歴史的な背景は十二分にある地域だから、たぶんもっといいローカルの民芸品とお土産になるものがあるんじゃないかと思うのよ。正直、そういうのに出会えなかったのはちょっと残念だった。

 

イカルの氷の美しさは、本当に言葉にできないほどで、SNS全盛のこの時代、たぶん時期に情報は拡散され、たくさんの観光客が訪れるようになると思う。

f:id:hokusoemi:20180423220724j:plain

その時に、たぶん中国人をはじめとした外資系の開発事業なんかも起こるだろう。国立公園であるこのバイカルを守れるのはまず、ロシア政府であると推察するが彼らが中国人に札束で頬を打たれて、このバイカルをあっさり明け渡してしまったりしないか心配だ。

 

そういう意味で、やっぱり現地の事業者も自己防衛が必要になると思う。現に、イルクーツクの街中ではすでにパチモンのレストランが、観光客に劣悪な料理を食べさせていた。

 

バイカル湖世界遺産の登録要件を4つ(①際立って美しい景観、②地球史上重要、③生物の進化プロセスを示す、④豊かな生物多様性)も満たしており、格の高いものだと考えられるが、世界遺産に登録されたのは1996年と割と最近の話である。共産主義時代のロシアには、世界遺産なんて無用のものだったのかもしれないが、このバイカル湖が観光地としてまだ未熟なのも納得である。そして、それ故に今後この美しい湖が守られるかどうかとても心配である。

この素朴で美しい湖が、その価値を確立させる前に、ブランドが棄損されることがないといいなと心から思う。

f:id:hokusoemi:20180423221151j:plain

冬のイルクーツク、バイカルツアー(2018.2) その9 食べ物編

 

hokusoemi.hatenablog.com

そう、まだ語りつくせない。食べ物の話がまだだった。

 

基本は、ウラジオストックに行った時と同じように、何を食ってもおいしい、口にあうというのが全体の感想だが、今回はモンゴルとの国境付近であることや、宿泊先では家庭的な料理を楽しむことができたという点で、また前回とは違った発見があったのである。

 

 

f:id:hokusoemi:20180423003440j:plain

イルクーツクから2時間ほど走ったところにある、エランツィの街にある「ユルタ」というモンゴルのゲルを模した建物のレストランでの食事。

 

f:id:hokusoemi:20180423003445j:plain

 定番のボルシチは、やっぱりおいしい。モンゴルとの折衷料理のマトンのボルシチもおいしかった。

f:id:hokusoemi:20180423003450j:plain

奥の大きなペリメニは「ボーズ」と言って、モンゴルのペリメニってか餃子らしい。発音的にも中国のパオズと近いのが面白い。

 

f:id:hokusoemi:20180423003500j:plain

f:id:hokusoemi:20180423003504j:plain

そうそう、面白かったのがこれ。モンゴルティー。味はおいしいスキムミルクって感じ。要はおいしい。スーパーとかで買えないか探したけど見つからず、とても残念だった。

追記:ラベルのハン・チャイで検索すると、ロシアの通販サイトがヒットしました。そのうちなんとかして買ってやりたい。

https://www.google.com/search?q=%D1%85%D0%B0%D0%BD+%D1%87%D0%B0%D0%B8&hl=ja&sxsrf=ALiCzsZBDSvxS9H3F-H_jOrN582wQkQXdw%3A1652010918639&ei=pq93YrzKJvjM2roPzJyOiA8&ved=0ahUKEwi8teGf7M_3AhV4plYBHUyOA_EQ4dUDCA4&uact=5&oq=%D1%85%D0%B0%D0%BD+%D1%87%D0%B0%D0%B8&gs_lcp=Cgdnd3Mtd2l6EAMyBggAEAoQHjoGCCEQChAqSgQIQRgBSgQIRhgAUPoGWNYSYIoVaAFwAHgAgAGXAYgBiweSAQMwLjeYAQCgAQHAAQE&sclient=gws-wiz

f:id:hokusoemi:20180423004836j:plain

お値段は、3人で850ルーブル。約1500円。まあまあ安い。

f:id:hokusoemi:20180423003917j:plain

そう、村ではこの紅茶をひたすら飲んでた。ロシアは紅茶の文化が強いらしく、相当な量の紅茶を消費するそうだ。これはあとで買い物に行ったときに、紅茶だけで1コーナーできていたことからも色濃い紅茶文化を感じ取ることができた。

お味のほうも素晴らしく(普段紅茶なんてろくに飲まないのでよくわからないけど)、お土産に何箱も買って帰ったくらいだ。

f:id:hokusoemi:20180423003914j:plain

そうそう、バイカル湖でのティータイムにいただいた、ロシアの定番お菓子プリャニク。シナモン等のスパイスを練りこんだパンをはちみつを塗って焼いたものだそうだ。これを私は痛く気に入ったので、お土産に2袋買って帰ったのだが、1袋500gもあるこいつを道中何度捨てようかと思ったことか。

でも、そのおかげで職場にロシアのティータイムを提供できたので、まあ良しということにする。

f:id:hokusoemi:20180423005247j:plain

そうそう、バイカル湖での昼食は、ピラフとオームリのお弁当。これもおいしかったな。

f:id:hokusoemi:20180423003528j:plain

お菓子つながりでいうと、フジュルの宿で食べたこのクッキーがかわいかった。この「ドブラーヤコロバ」というのは、「優しい牛さん」という意味らしい。かわいかったので、これもお土産にしたかったのだが、なぜかスーパーには「コロバ」=牛さんのクッキーしかなかった。

なぜ、やさしさを失ってしまったのか…。

 

f:id:hokusoemi:20180423003729j:plain

f:id:hokusoemi:20180423003821j:plain

f:id:hokusoemi:20180423005917j:plain

あと、ロシアはなんかスーパーでこんな雑な感じで袋にたくさん入ったお菓子を売ってる。あまりに売り方が雑なので、ごみのようにしか見えないが、どれもなかなかおいしい。量が多いので旅行の間みんなで食ってた。

 

f:id:hokusoemi:20180423003551j:plain

f:id:hokusoemi:20180423003640j:plain

f:id:hokusoemi:20180423003648j:plain

f:id:hokusoemi:20180423003644j:plain

f:id:hokusoemi:20180423003655j:plain

フジュルの宿の食事たち。これがロシアの家庭料理なのだろうか?どれもおいしかった。寒さで体力がガリガリ削られるので、もっと食べたかった。

 

f:id:hokusoemi:20180423010450j:plain

空港のサブウェイで食べたサンドイッチ。日本のよりも少し大きめか?

野菜を選んで入れてもらえるシステムは全く同じ。

「フショー(全部)」「ボルショイ(モリモリで)」と伝えたら、ちゃんとたくさん野菜を詰め込んでくれた。

 

f:id:hokusoemi:20180423010727j:plain

f:id:hokusoemi:20180423010730j:plain

空港のすぐ近くにあるWinkel。

クラフトビールが一杯300円ほどで、くそ安。そうそう、ロシアは結構カツレツがよく出る。この辺りも日本人にはなじみがあってよい。

 

ってな具合に、食べ物関連も最高だったのであるが、最後にしてやられた。

最後は、やっぱりボルシチで締めたいねと、モドニクヴァルタルの近くのお土産ストリートでラッソリニクというレストランに入ったのだがね。

 

入ってそうそう気づいたのが、アジア人だらけだってこと。私たちも席に座るなり、中国語のメニューを渡される。

まあ、何となく読めるけど、それ以前にそのメニューの料理が高すぎる。

こりゃ観光客価格やで、と思ってもともと置いてあった英語のメニューを見て頼むことにしたわけだ。

若干、ましな値段ではあったけども、それでもボルシチ一杯500円くらいと、これまでの相場の倍以上の値段である。

 

まあ、もともと安いから別にいいかと注文してみる。あと、ほかのお客が食べてておいしそうだったスープがパイ生地の器に入って出てくるのも一緒に注文。

飲み物もなんか頼もうと思うのだけど、やっぱり高い。

てか、メニューの中に「ソビエトジュース」みたいなのがあるんだけど、絶対嘘だろ。日本で1970年代に「大日本帝国茶」が売ってあるようなもんだ。ありえんだろ。

てか、「ソビエト」って、「議会」って意味なんじゃなかったっけ?議会ジュース?

 

もはや、なんでもいいから頼んでみろということで、なぞのソビエトジュースも注文。

 

なんか、いやな予感がしつつ、料理が出てくるのを待つ。

 

f:id:hokusoemi:20180423012029j:plainお、とりあえず見た目は普通やん。

 

で、みんなで食して、お互いの顔を見合わせて沈黙。

 

なんか、味が安っぽい。なんというか、化学調味料?魚のスープは生臭かったし。

あと、肉が固形肉。あの、カップラーメンの謎肉みたいな?

 

写真撮ってないけど、ソビエトジュースは謎の黄色くて酸っぱい液体でした。

 

極めつけは

f:id:hokusoemi:20180423012025j:plain

このパイに入ったスープ。

パイの器が硬すぎ。ナイフでガリガリやってもかすり傷しかつかないんだけど。

これ、プラスチック?

否、なめてみるとかすかに炭水化物感がある。

 

3人で代わる代わるパイらしき物体に噛みついてみる。

しばらくみんな、もう薄々オチを予想しながらゴリゴリと音を立てて、その物体をかみしめる。

 

友人A「確かに、カロリーは感じる。食べ物だよ。」

 

友人B「まずい。」

 

俺「段ボールではない」

 

俺ら3人は、これまで最高の旅をしてきて、自分たちが上級旅行者だと勘違いしていた。ガイドがいないと所詮こんなもんだ。

 

自分たちの愚かさをかみしめながら、謎の物体を咀嚼し、飲み込んだ。

 

「ぼったくりやねーか!」

 

クソッ!クソッ!よく考えたら店に入った時からおかしかった。

全然、会計の客をさばききれてないし、室内の音楽は悪趣味だし、全然雰囲気に合ってないし。

客の8割アジア人だし。

 

そうと決まれば、さっさと切り上げるのみ。腹半分も満たされてないのに、これまでの倍くらいの支払いを終え、店を出る。

 

さらっと書いたけど、会計するのにも店の統制が全く利いておらず、だれも会計をしてくれない。

ようやく会計をしてくれたかと思ったら、おつりが来ない。

大した額じゃなかったから、もういいよって言ってお店を出たけど、たぶんお店のスタッフは本当は目の前のお客におつりを渡さなければならないことにも気が付いてないのだろう。

 

いやね、思ったんだって、この町は物価は安いは、お土産はワンパターンだわ、これちょっと小ズルい人だったら、簡単に悪だくみできちゃうんだよね。

 

仮説だけど、決めつけはよくないけど、この店は中国人オーナーが、適当に現地のロシア人アルバイトを雇ってそれらしい雰囲気の店作っただけだ。食材とかはどこかでクソ安く仕入れたやつを送り込んで、適当に料理させてるんだわ。

 

たぶん、自国民だったらプライドにかけてあんなにまずいボルシチは作れんだろうよ。

んだがら、店の統制はめちゃくちゃだし、料理はまずいし、「ソビエトジュース」なんて謎の液体を作り出しちゃうし。

 

でもね、勉強になったわ!やっぱり、考える奴はいるんだな。

 

 

日本人として、こういうのには絶対負けたくないなと思った。

3人で、笑いながら、気を吐きながら店を出たのであった。

 

悲しいかな、あれでも一応食い物だったようで、それからもう1件レストランほどの空腹にはなれませんでした。

 

 

冬のイルクーツク、バイカルツアー(2018.2) その8 犬編

 

hokusoemi.hatenablog.com

 

はてさて、旅の大筋の部分はこれまでだいぶ語りつくしたところだったが、これからはチップス的な部分について述べていきたい。

 

f:id:hokusoemi:20180422233552j:plain

そう、海外に行く先々で結構関心があるのが、犬と猫に関する文化である。

日本では野良猫や放し飼いの猫が町中いたるところで見られる一方、昨今では野良犬やら放し飼いの犬というのはそうそう見られないのであるが、これが海外ではちょっと事情が違ってきたりする。

 

例えば、タイでは、屋台文化で、残飯に容易にありつけるためか、犬がとてものびのびと暮らしている。

その一方で、猫はなぜか飲み屋街の夜の街でひっそりと暮らしている。夜行性や、雑食性の違いによってこういう生態の違いが現れるのだろうが、そういった部分でも日本との違いを感じたりするのである。

 

じゃあ、シベリアンハスキーのメッカであるこのシベリア地方では、どうなんだろうか。

というところ。

 

宿にしていた、バイカル湖のオリホン島の村、フジュルでは結構犬との触れ合いがあった。

f:id:hokusoemi:20180422234600j:plain

夜に近場のスーパーに買い物に行った時の話。お店の前に一匹の犬が待ち伏せしていた。

彼はここで一体何を待っているのかというと、観光客が買った夜食のおこぼれにあずかれないかとひたすら待っているのである。

f:id:hokusoemi:20180422234820j:plain

お店で買った菓子パンを一つ上げると、満足そうにどこかに消えていった。

 

ほかの店の前にも、同じように待ち伏せ犬がいて、同じように客からのおこぼれを待っていた。

f:id:hokusoemi:20180422235020j:plain

まあ、なんちゃ結構でかくて、多分犬嫌いの人にとっては恐ろしいのかもしれないが、なかなか人懐っこく、必要以上のおねだりもしない。

f:id:hokusoemi:20180422235257j:plain

この犬は餌をあげると、しばらくついてきたのだが、ある程度ついてきたところであきらめてどこかに帰っていった。

 

試しに友人Bが口笛を吹いてみると、どこからともなく犬が2匹ほどわいてきて、おねだりに来たりもした。

 

ドラクエとかで、よく「○○は仲間を呼んだ」みたいなシーンがあるが、本当にどこからともなくやってくる。

 

こんな感じで5,6匹やってきたらさすがにちびるだろうなと。

 

また、朝日を拝みに早朝村を徘徊していると、子犬の群れに出くわすこともあった。彼らは私たちに構うことなくどこかに走り去ってしまった。

f:id:hokusoemi:20180422235915j:plain

夜のうちは、子犬に出会うことはなかったので、その間は巣で親が餌をとってくるのをおとなしくし待っているのだろう。

 

f:id:hokusoemi:20180423000048j:plain

f:id:hokusoemi:20180423000144j:plain

全体として、人に対して害意のある犬は少ないと感じた。

やはり、厳しい環境の中で、人間と共存しないと生きていけないのだろうか?

なんか、人間と共存しない犬は真っ先にロシア人にぶっ殺されてそうである。

 

もちろん、狂犬病等のリスクはめちゃあるので、積極的な接触はお勧めしないが、まあ特にこちらがビビらなければ害はないようなので、これはこれでその地域の文化として楽しまさせてもらった。

 

そう、猫も一応いるにはいた。1匹しか見なかったけど、一応この環境下で生きることはできなくもないらしい。

 

 

実は、今回のツアーに犬ぞりも組み込んでいたのだ。

氷の上を犬ぞりできるのかと期待していたが、犬ぞりはまた別の場所でやるみたいだ。

最終日にバイカルから戻ってきて、イルクート川のほとり??で犬ぞり体験をすることになった。

 

 

f:id:hokusoemi:20180423000753p:plain

(ほとりというか凍った川の中?)

f:id:hokusoemi:20180423000843j:plain

 

www.facebook.com

今回ツアーした会社の提携しているこの団体が、犬ぞりを手配してくれるみたいだ。

f:id:hokusoemi:20180423001321j:plain

外に出たくてたまらんといった様子のハスキー諸氏。

シベリアンハスキーっていうと、結構日本じゃ気性が荒い印象があるのだけど、犬と戯れたりできるんだろうかと、ちょっと心配に思っていた。

 

が、実際はこうである。

f:id:hokusoemi:20180423001431j:plain

f:id:hokusoemi:20180423001601j:plain

f:id:hokusoemi:20180423001635j:plain

もうね、超が付くほどの従順さ、村にいた野良犬どもはちょっとの恐怖感はあったかもしれないが、こいつらはほんとに従順。

人間大好きって感じ。

 

もう犬ぞりの前に、こんなに全力で犬と戯れることができるというだけでおなか一杯。

ほおずりなんてしようものなら、ベロベロ嘗め回される逆襲をもれなくいただいてしまう。犬ぞりのことなんてほとんどどうでもよくなっていたが、一応犬ぞりもやることに。

 

f:id:hokusoemi:20180423002016j:plain

f:id:hokusoemi:20180423002121j:plain

こんな感じで、常にハイスピードで爆走するのかと思いきや、7割くらいはトコトコと早歩きみたいなスピード。

スリルと爽快感というよりは、まったりした感じの遊びだったな。

まあ、あんまり速くすると危ないからかな?

 

価格は、2000ルーブル(4000円)ほどだったかな?

シベリアでシベリアンハスキーと戯れる、という貴重な体験ができるなかなか乙な遊びでした。

 

犬好きの方は、ぜひツアーに組み込んではどうだろうか??

冬のイルクーツク、バイカルツアー(2018.2) その7 街ブラ編

 

hokusoemi.hatenablog.com

 

かくして、ロシア人夫婦と、ガイドと別れを告げた我々3人だったが、時間はまだ夕方6時過ぎ。

これから、深夜のフライトまで、シベリアのパリと呼ばれるイルクーツクの街中で時間をつぶすことになる。

 

お別れの地点にあった、氷像。サンタクロースらしい。

f:id:hokusoemi:20180307205219j:plain

なんでも、ロシアのローカル設定では、サンタの孫娘がプレゼント配りを手伝ってくれるという設定のようだ。

f:id:hokusoemi:20180307212343j:plain

永遠の火

かの独ソ戦では、イルクーツクの兵士も多数なくなったそうだ。そういう戦没者の追悼の意味のモニュメント。

炎がゆらゆらと揺らめくのではなく、完全にガスバーナーのそれである。

ガスの供給源があるようで、かなり本当に化石燃料が枯渇しない限りは永遠に消えなさそうな勢いで燃えている。

 

 

あとは、超駆け足で街を練り歩く。なんせ日没過ぎると、何も見れなくなるかからね。

結構街の中心部には、教会やら記念碑やら、見るべきものがたくさんあって、短時間でいろんなものが見れた。

もう解説もロクすっぽ読んでないけど、単純に建物の美しさに感心したものであった。

f:id:hokusoemi:20180307205351j:plain

f:id:hokusoemi:20180307205526j:plain

f:id:hokusoemi:20180307205545j:plain

f:id:hokusoemi:20180307205552j:plain

f:id:hokusoemi:20180307205600j:plain

 

f:id:hokusoemi:20180307210138j:plain

今回は、行く先々で月がいい感じの演出を添えてくれる。

 

f:id:hokusoemi:20180307210040j:plain

 

f:id:hokusoemi:20180307205808j:plain

街の街灯なんかも、結構おしゃれな感じを演出していた。

そしてアンガラ川。でかい。バイカル湖はカチコチに凍ってて、水はほとんどが湧出する地下水と考えられるが、それでこの水量はすごい。雪解けの季節は、どれくらいの流量になるのだろうか?

そして、この河がまだ北極海まであと何千キロという距離を流れるのかと思うと、果てしない。

 

f:id:hokusoemi:20180307210359j:plain

f:id:hokusoemi:20180307210403j:plain

なんか、公園みたいな場所もあった(全体、駆け足過ぎて「なんか」が異様に多い)。

 

氷像が飾ってあるほかに、ブロンズ像も飾ってあったんだけど、ひとつものすごく気になるものを見つけた。

f:id:hokusoemi:20180307210735j:plain

そう、見ざる、言わざる、聞かざるである。

これが、解説もなく、唐突に現れるのがとても不思議である。

ただし、この三猿は世界各国にまれに見られるそうで、シルクロードを通って、中国を経由して日本にも伝わったものとのことだ。

No-Evil-Monkeys Collections on the internet

 

イルクーツクも、中国とロシアの間の縦の交通の要衝だったわけで、なんらかのいきさつで浸透しているのかもしれないし、ただ単にこれを作ったクリエーターがミーハーだっただけかもしれない。

 

それから、街の中を新しくできたらしい、観光街みたいなところを抜けて、大きなショッピングモールにいたる。

f:id:hokusoemi:20180307214756j:plain

f:id:hokusoemi:20180307214808j:plain

 

なかなか、綺麗なショッピングモール。

ここであまったルーブルをお土産にして帰る。

 

帰りにタクシーを捕まえようとする。幸いにして、このあたりはそれなりにタクシーが居るようで、ほどなく見つかった。

 

タクシーにはこれまたザンギエフのようにいかつい運転手が乗っている。

「アエロポルト!アエロポルト!(空港)」

と伝えると、『遠すぎだろ、絶対ヤダ!』みたいなリアクション

あ、乗車拒否か?

 

と思った瞬間、『嘘だよ、乗れ!』ってまた素振りで。

なんや、お茶目なおっちゃんかい!

 

と思って乗り込む。観光客相手には、ぼったくられると事前にガイドに聞いていたので、最初に料金交渉する。

相手から示された価格は300ルーブル

タクシーを手配するアプリで、相場価格が150ルーブルであることは分かっていたので、まあ割高ではあるがそもそものタクシー代がロシアは安すぎなので、まあいいかと乗り込む。

 

タクシーに乗り込み、ドアを勢いよく閉めてほっと一息つきかけたら、なんかめっちゃ『おいなにやってんだ』みたいなリアクション。

 

うわ、やっちまったかと思い、とりあえず「イズヴィニチェ(ごめんなさい)」を連呼!

 

さあ、どう来るか...。

と、思ったら

「おまえら600ルーブルだ!!」

結局ぼったくられるんかーい!

 

と、思ったら、また『冗談だよ』みたいなリアクション。

 

本当に、とことんおちゃめなおっちゃんらしい。

だた、ザンギエフみたいな体格してる人が、そういう冗談いうと心臓に悪いからやめてほしい。

 

その後、運転自体はいたって安全で、特に回り道とかされることなく、無事に空港に到着。

友人Bはこの自由奔放なおっちゃんが痛く気に入ったらしく、チップも含めて500ルーブルを渡して、その代わりに記念写真を撮らせてもらった。

 

おっちゃんは、めちゃくちゃ喜んでくれて、助手席に座ってた私と熱いハグを交わしてくれた。

ここに掲載できないのは残念だけど、そのときの写真はとてもいい出来だ。

 

いつもコニャックをくれた、ロシア人の旦那も、このタクシー運転手も自由奔放でとてもお茶目である。

 

さてさて、このたびもいよいよ終わりを迎えるときが来たようである。

閑話休題 継続の大切さ

とうぜん、旅の記録は家に帰ってから、思い出しながら書いているので、今は日本にいるわけです。

 

マイナス17℃の真冬の世界から帰ってきたら、一気に春になっていました。

f:id:hokusoemi:20180318231216j:image

旅の疲れか、春の眠気か、やたらと睡眠時間が長い日々が続いてましたが、今日は元気に残業できました(白目)。

 

 

そういえば、地震の前に職場でショートカットキーに関するスキルの普及を目指して、自主的に勉強会なぞをしてたのですが、地震も落ち着いてきたので、再開することにしました。

 

間が空いてしまって、活動の認知度も下がってしまっただろうし、かなり踏み出すのにMPを消費しましたが、いざ募集をかけてみると、あっという間に定員を超える参加申し込みがあり、とても嬉しかったです。

 

せっかくの皆さんのご希望に添えるような、研修をしなければ…。

 

ショートカットと言えば、正月明けに職場から帰るときに、一見何も生えてない植え込みを通ってショートカットしようとしたら、つまづいて転びそうになった小さな小さな切り株は、あれからも何回もつまづいて転びかけることを繰り返した結果、ついに地面に出てる部分が折れてつまづかなくなりました。

 

何事も継続が大事です。

冬のイルクーツク、バイカルツアー(2018.2) その6 文化交流編

 

hokusoemi.hatenablog.com

 

さて、オリホン島の国立自然公園にて、シベリアの真珠とはいったい何たるかを知った我々だったが、フジュル村への帰路にてロシアンサウナ、バーニャのオプションをつけるやつけざるやという話になった。

 

料金は1000ルーブルと追加の車代300ルーブルくらいだったか?

 

フジュル村のロッジはシャワーしかなかったので、じゃあ疲れを取るためにいっちょやってみっかということで話を聞いていると、なんかバイカル湖にダイブするとか物騒な話が聞こえてくる。

 

なんでサウナに入ることと、バイカル湖に飛び込むことが同時に話に出るのがよく理解できないで居る私。

 

いやいや、いくら水中は0度未満にはならんとはいえ、さすがに冗談やろ。

と思っていたが、どうにも本気らしく、道中の車中でまた、「これで景気づけしな!」的な感じでコニャックを渡される。

いや、ロシアンサウナのロシアンって、罰ゲームで負けた奴がバイカル湖に飛び込むみたいな、ロシアンルーレット的な意味合いでもロシアンなの?

 

と、思っていたが現地について理解した。

f:id:hokusoemi:20180304224128j:plain

f:id:hokusoemi:20180304224132j:plain

 

いや、馬鹿だろ笑

 

イッテQかよ!!

 

てか、そもそもサウナが氷の上に立ってるし、これ毎年解体して組み立ててを繰り返してるのかよ!

相変わらず、すげーDIY能力だ。

 

氷の中のサウナに入ってみると、薪のストーブがしゅうしゅうと熱を発していた。

これに、水を加えることで、一気に暑い蒸気が室内に充満しスチームサウナ状態になるようだ。

 

同行のロシア人の奥様から内部の写真撮影はNGが出たので内部の写真がないのが残念だが、サウナ自体はなかなか乙なものだった(最後に出るときにとっておけばよかった。)。

 

要は、ここのサウナであったまった体を、バイカル湖の水に飛び込んで一気に冷やすということらしい。

 

理解したけど、理解したけど、マジかよ。

 

みんな水着なんて用意していないので、下着でサウナに入る。よく説明していなかったが、ロシア人嫁は、年としては31歳の私たちよりも少し年上くらいだろうか?

 

まあ、なんちゃ普通に美人なんだが、自然と下着になって俺らと一緒にサウナに入る。

なんかそういう文化をテレビあたりで見たことあったが、ほんとうに女性の羞恥心というのが文化次第で異なるのも面白い。

ロシア人は女性が強いという話はたまに聞くところであるが、そういうのも関係しているのかもしれない。

 

さて、サウナに入ってしばし経つとなるほど、体が結構火照ってくる。

なんか、ちょっと飛び込んでもいいかな?という気持ちにもなってくる。

 

で、ロシア人の諸兄が、次々とサウナから飛び出してダイブしてくるのを見て、ついに私も決心がついた。

ドアを開けて一気に水中に飛び込む!

f:id:hokusoemi:20180304225414j:plain

 

飛び込んだ後は、なんかもうよく覚えてない。穴の中は意外と浅く、(1mちょいくらいか)すぐに足がつく。

混沌とした意識の中で、「あ、意外と砂地なんだ」というのが一瞬頭によぎる以外はとにかく「無」である。体が芯から冷える前に、必死であがって、またサウナに戻る。

 

サウナに戻ると、その暑さがとても心地よく、体の芯に残っている熱と、皮膚の内側にある水の冷たさと、またその外側の熱が折り重なるような感覚を覚える。

 

なんだろう、むかししもやけになったときに冷たい水とお湯に交互に足を浸して、血行をよくしていたのを思い出した。

 

一回、やってしまえばなんということはない。確かにこれで長時間サウナに漬かってられる。

 

ちょっと余裕が出てきたので、防水カメラでバイカル湖水中写真なんかをとったりもした。これが、決死のダイブで撮影した貴重な氷の下の画像である。

f:id:hokusoemi:20180304234244j:plain

f:id:hokusoemi:20180304234327j:plain

なんか、とても綺麗そうなのはなんとなく、お分かりいただけただろうか?

バイカル湖は世界一の透明度を誇るといわれているが、実際にその透明度を視覚的に実感できる写真とかはあまりなく、ましてや真冬に水中写真を撮った奴はほとんどおらんだろう。

私自身水中眼鏡をしていたわけではないので、写真で見てなるほどやっぱり綺麗なんだなと納得。 

 

水中で目を開けていたのだけど、後で目がひりひりすることもなく、水質は確かなようである。 

今度来ることがあれば、シュノーケルと水中眼鏡の持参も忘れないようにしたい。

 

 

そんなことを何回か繰り返すうちに、他の中国人ツアー観光客が冷やかしにやってくる。

なんか「はよ飛び込め」みたいな雰囲気で、外で待っている。

こんな素人のバラエティ企画みたいなモン見て何が面白いのやらと思いつつ、それでもギャラリーがいるとこっちの気分も乗ってくる。

友人Bなんかは、その有り余った運動神経を活かしてとんぼ返りを打ちながら飛び込んだりもした。

 

サウナの中で、ガイドやロシア人夫妻と話す中で、「「外で見てる連中はただのツーリスト、でもこれで君らもロシア人だ!」」と言われ、ふいにめっちゃ嬉しくなる。

 

ああ、これがグローカルな体験か、本当にすばらしい限りだ。

 

日中の感動的な風景と、コミュニティに受け入れられるという、感動的な体験が折り重なって、とても暖かい気分になってサウナを出た。

 

これまでも、ロシア人夫婦やガイドとはぼちぼち仲良くしてきたが、この体験の後にこのメンバーの中は一層深まったと思う。

 

 

翌朝、食事を取りながら、ちょっとばかり文化交流ができればと思って持ち寄った、折り紙で鶴を折って渡す。あと、日本から持ってきた筆ペンで「鶴」と漢字で買いて渡す。筆ペンそのものもロシア人旦那にお土産として渡した。

 

正直、もうありきたりだろとも思ったが、日本から遠く離れた黒海のほとりに住む二人にとっては十分珍しかったらしく、たいそう喜んでくれた。

 

 

帰りの車の中で、軽く涙腺を緩めつつ、島での体験を反芻するのであった。

 

惜しみつつ、3人のロシア人と3人の日本人は別れを告げる。

 

ほんの3日ほどの短いたびだったが、本当に感動的な体験だった。

 

心からそう思えた。

 

もうコニャックは飲んでいないけど、なんだか体の奥に暖かいなにかを感じた。 

 

 

ここからは飛行機の出る時間まで、イルクーツクの市内探検である。

さてさて、何が待っているのだろうか??